WEB予約 youtubeチャンネル
店主ZONOのブログ

とりぞのブログ&情報

店主ZONOによるとりぞのブログ♪
日々更新!お得な情報を要チェック!

(金) 満席率20%

2020.10.16


「ユーチューバー店主のZONOです!先週の勢いに対して、今週は弱い〜でもお客様に向き合えるから暇な方がいいのか?でもそれだとお店の存続が・・・87席の壁!お客様と向き合える大箱のお店を目指します!」

 

《本日の動画》

 

このおじさんは天狗と呼ばれていた。あだ名のわりに鼻は高くない。ただ、いつも赤ら顔だったので、そう呼ばれていた。顔が赤い理由。それは手元を見れば納得である。手には、一升瓶を持ち、ときよりラッパを吹くかの如くグビグビと、単に酒に酔っているだけ。もちろん、これだとただの酔っ払い。彼には不思議な力があるという。どうやら過去に戻ることができるらしい。

 

天狗櫻2015

 

後悔のない人生を生きるなんてこと、果たして誰ができようか。彼もまた、腕時計を放り投げ、浴びるように酒を飲んでいた。彼は時計の針を憎く思った。針は必ず、右回り。仮に止まれば電池切れ。逆回りでもしたものならば、それは故障と判断される。「いっそ壊れろ」と願っていたからか、時計を覆っているガラスにヒビが見受けられる。とはいえ、ヒビが入ろうが、針は先に進む。彼は酒を一気に飲み干し、天狗のおじさんに会いに行くことを決意した。

 

天狗のおじさんはこの近辺では有名であった。この町には所有者不明の荒れ果てた山があるのだが、その山の中腹に、その天狗のおじさんは住んでいた。自前の掘立小屋、木々は雨水を十分に吸い込んでいるのだろう、あたり一面カビだらけ、近づくのを躊躇さしてしまう。対して天狗のおじさんは、仙人のように、大人しく山に篭ればいいものの、頻繁に山を降りてくるものだから、噂でなく事実として、天狗のおじさんは認知されてしまっているのだ。一回の晩酌で一升瓶一本の焼酎を飲み干すとか、ペンギンが好きだとか、せごどんが好きだとか、猫に化けることができだとか、烏天狗を探しているだとか・・・どーでもいい噂は膨れ上がる一方。

 

「すみません〜」

 

彼は掘立小屋まで来ていた。ぷ〜んと漂うカビ臭に、思わずのけぞるも引き返すことはできない。天狗のおじさんは、そのカビ臭を吹き飛ばす酒臭さと共に現る。鼻の短い真っ赤な天狗の現れだ。

 

「父が死にました。僕のせいなんです。」

 

土間の竃に腰を下ろすやいないや、彼は天狗のおじさんに相談する。

 

「母は幼い時に死にまして、父は男でひとつで僕を育ててくれました。父の愛はたくさん受けていたのですが、なんだか満たされない情。母の愛が恋しかったのか。それに反抗期もあいまって、あるとき父と喧嘩、言っちゃったんです!「母さんはお前が殺した!」と。そして家を飛び出ました。ちょうど5年前ですよ、それから父が体調を崩し、床に就き、亡くなっていたと、最近になって知りました。そろそろ誤りに帰らないと、思っている最中でした。」

 

天狗のおじさんは、目を閉じ僕の話を聞き入る。そして鼻をポリポリと、口を開く。

 

「わしゃー、大した力はない。ただ周囲でなんと言われているかぐらいは知っている。正直に言おう。わしに時間を戻せだと?そんな力はない。」

 

天狗のおじさんのこの告白に、彼は驚いたそぶりはしない。そんな力が無いことぐらいわかっていたのだろう。とはいえ、人は、どうしようもできない時、そんな神がかった奇跡の話でも信じてみたくなるもなのだろう。天狗のおじさんは、鼻をポリポリとまた続ける。

 

「でもな、噂ってのは、0からは想像されない。その噂を生み出した何かがあった。10年前だった。一人の男がここにきた。彼は彷徨っていたらしい。

 

その男は泣いていた。5年前に、妻を失ったという。というか、殺したと。事業が軌道に乗ったからと、調子こいて家にも帰らず遊びこけたと。妻はそんな男をみかねて泣いた。もともと病弱だったのだろうか、妻は体を壊しこの世を去る。妻を失い男は、改心する。残された息子を目に、男は変わったと。とはいえ、母が抜けた家庭には、なんだかぽっかり穴が開く。その穴を埋めることができず、息子との衝突。その日だね、息子に怒鳴られたと。「母さんはお前が殺した!」って。息子が家を飛び出し、その男は後を追い、放浪、気付けばこの山小屋まで来ていたと言った。なぜかその男は、わしに助けを求めてきたよ。こんな山奥に一人で住んでいるから、仙人だともも思ったのかな。その男はわしに「時間を戻してほしい!」と言ってきた。だからわしは酒を出した。「時間を戻すことはできない。亡くなった奥様と合わすことはできない。が、奥様にふれることはできるかもしれない」と。わしは5年前に蒸留され貯蔵された焼酎を出したんだ。男はその酒をじっくりと味わいやいない、「ありがとう御座います!」と山を降りていった。それだけのことよ。

 

「そのお酒飲ましてもらっていいですか?」

 

香りから・・・はっ!澄み切った水面を思わせる穏やかな情景が浮かぶ。時折吹き付けず風に揺らぐ水面、同時にふわっと漂う芋の甘い香りは、干し芋や、グラッセを思わせる、濃厚で深い香りを届かせる。口に含むと・・・非常に優しく、重量くし違い上から下に流れるように、穏やかに喉を流れるも、なんだかしっかりと主張する芯はある。決して薄くはない!力強さ、時間という変遷の中で、薄まる事はなく研ぎ澄まされ、浮き立たせたこの芋の風味は、もう些細なことなんてどうでもいいかと思えるような偉大さを魅せつける。熟成酒による、芋を超越した味わいは、ブランデーを思わせるような雑穀を原料としない洋酒とも思わせる芳香がある。

 

「いいか青年。時間は戻らない。これから化学が進んでも、未来には行けても過去には戻れないと言われている。でも戻らなくても感じることはできるんだ。5年の過ちを、やり直すことはできないよ!でもね、5年前を振り返り、その故人のことを思うことはできる。この酒のように、その時から今日までの変遷に触れることで、身に染みる味わいがあるのも事実だ。」

 

彼は叫んだ。「父さん!母さんはあなたを尊敬してました。決して、あなたが母さんを殺してない!そして、僕はあなたを尊敬してました。だから強がって、ああ言ってしまったんです!」

 

天狗のおじさんは彼のグラスにまた焼酎を注いだ。

 

「戻らない時間、だからこそ人生に、酒には、味がある。実は先日、その男がふと山にきた。病を患い、もう先は長くないと言っていた。わしらは久しぶりの再会に杯を交わしたよ。家を飛び出た息子の消息が掴め、元気にやっていたからもう悔いいることはないとも言っていた。そして、男はまたあの焼酎が飲みたいと甘えたね。だからこれを出したんだ。すると男は・・・「もう・・・荒々しい過去も味わい深い」と言っていたよ。」

 

彼は、焼酎を飲み干すと、ヒビの入った腕時計を摩り、山を降りた。今を熟成させると意に込めて。

 

 

 

 

 

スペースマジック株式会社
代表取締役(兼 とりぞの店主)
奥園侑亮(ZONO)

 

家を飛び出た19歳夏、身銭が底をつき始まったホームレス生活!その末、新宿西口で屋台を営むに至る。一期一会に杯交わす日々、商売の基礎を学ぶ。後に更生、実家山口県に戻り→自宅浪人→高知大入学→某IT会社入社→サラリーマンとなり東京に舞い戻る。しかし求める世界は違った。2011年、飲食業界へ転移、その一年後、某鳥料理屋の店長に抜擢される!更には焼酎きき酒師の資格を取得『焼酎教室』を設立し200名の生徒を築く!そして…2014年4月起業、スペースマジック株式会社設立、六本木に87席の居酒屋『九州鳥酒とりぞの』をオープン!そして2017年6月には念願の2店舗目『炎上鳥菜とりぞの』を出店!が、2018年7月、全権を委ねた店長に裏切られ閉店、12月には火災事故にて本館も失う・・・2019年、全てを喪失したZONOは、起死回生に向けて立ち上がる!そして今・・・『焼酎ユーチューバーZONO』として前代未聞な挑戦が始まる!

 

 

飲食店経営革命

〜店主ZONOのLINEスタンプ絶賛発売中〜

 

 




Top