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(水) 満席率10%

2020.09.23


「ユーチューバー店主のZONOです!さぁ、連休明けの営業日!酒に飢えてはおりませんか?だったら当店で大いに酔っ払って下さい!それだけのお酒をご用意しております!焼酎メインですが!どーん」

 

《本日の動画》

 

「人生なんてボタンを掛け違えた西南戦争みたいなもんだよ。」

 

これが、せごどんの足元であぐらを描いた、おじさんの挨拶だ。おじさんは握り飯を頬張り、話を続ける。

 

「せごどんが設立した私学校。その思惑は、不満を持った士族たちによる新政府への反乱を防ぐというものだった。だがね、その私学校の存在こそが西南戦争を引き起こす。皮肉なものよ。」

 

僕はおじさんに差し入れがあった。田崎酒造が新発売した「シロツン」という焼酎だ。一升瓶を手にしたおじさんは、封を開けると、そのままラッパ飲みで嗜む。これがおじさんの礼儀なのかもしれない。僕もおじさんの隣に腰を降ろした。まぁ飲めと、渡された一升瓶。おじさんとの間接キスには躊躇するも、これがこの人の作法ならば従わざる得ない。

 

ちょうど1ヶ月前。僕は上野恩賜公園に来ていた。上野の森とも呼ばれるこの公園は、都会の喧騒を忘れさせる力がある。もちろん、狙いは朝一番だ。人が群がる時間を避ければ、壮大な自然は尚、訪れる人の心を晴らしてくれる。とはいえ、その力を以っても、僕の心は雲ったまま。進路のことで悩んでいた。就職か大学院か。高校時代にのめり込んだ日本史。特に幕末に興味があり、大学では迷わず史学科で幕末維新史を専攻した。でも、大学4年間では学べることに限界がある。そして院への進学を試みるも、両親からは猛烈な反対を受ける。「歴史を学ぶとは趣味の延長線上でしかない!」と。早く就職して社会人になることを望まれていた。気付けば、せごどんが姿を現す。ここを目指して歩いていたものの、彼の登場には毎度驚かされる。やはり惚れ惚れする壮観。僕を幕末の虜にした彼を、憎くも思う。せごどんを見つめていると、おじさんが話しかけてきた。

 

「恋敵かな?」

 

おじさんとは意気投合した。おじさんも幕末マニアらしく、僕らはあれこれと語り合った。が、おじさんの方がウワテだった。「せごどんからは私というものが見えない。本当に私利私欲がない人よ。そして己で何もかも背負いこむ器のデカさ。人として、男として、ただただ魅力で溢れる。これほどの人が今の日本にいるだろうか?だから今でも多くの人に愛されている。」僕ら二人は子供のようにケラケラと、上野の森の朝空に、笑い声を靡かせる。収集が付かなくなったのか、おじさんは奢るからと、僕を連れて、飲み屋街に繰り出した。朝飲み文化の根付くこの町は、この時間にもかかわらず、真っ赤に染まった人で溢れていた。「せごどんを語るには焼酎よ!」と、焼酎に拘るお店に来た。上野にしては珍しく、分厚い木のテーブルに、椅子の座りも良かった。おじさんは店内を見渡し、あれだ!と指差す。その時に飲んだ焼酎が田崎酒造の「ツン」だった。

 

「黒麹なんだね。う〜ん。白麹の方がいいかな。田崎酒造さんにしては珍しい無濾過の新酒系焼酎。この蔵は熟成が基本の蔵だからね。レギュラーの七夕でさえ1年以上寝かしている。そういった意味だとツンだけど、ただ黒麹にはどうしても優しさがある。あっ、せごどんが連れているツンって犬。あれ、知っていると思うけど、せごどんになかなか懐かなくてツンツンしてたらしいから、ツンって名前をつけたらしいよね。黒麹ならばデレかな。」

 

幕末史だけじゃなくて、焼酎にも精通しているらしい。焼酎とせごどんの知識を掛け合わせたお話を、分からない人には分からないだろうなと、僕は素直に思った。おじさんは続ける。

 

「白黒つかない人生。う〜ん。飼い犬のツンの目線で、せごどんを見ると、黒に見えたのかな。明治維新という偉業を果たした男を祀り称え、あの銅像がある。徳川家の家臣である彰義隊の戦い地にね。そんな男が10年後、まさか西南戦争にてあんな事態に引き込まれるとは。飼い犬としては、黒な人生だと思ったのかもしれない。」

 

時間はきた。おじさんは携帯電話なんて持っていなかった。連絡先を交換することもなく、僕らは別れる。念のため、「さよなら」じゃなくて、「また!」とだけ言い残した。

 

それから月日は流れる。おじさんのことは何度か脳裏を宿った。また話したいと何度も思った。そして今日。おじさんはあの銅像の下に、必ずいると思った。9月24日。西郷隆盛の命日だった。

 

「にしても携帯電話がないから大変だよ!」

 

僕は再開の嬉しさに対して、嫌味を投げかけた。おじさんは顔をあげる。

 

「もしあの時、携帯電話があれば、西南戦争は起きてなかっただと?!大久保さんとせごどんが電話で話せば。でも他にもあらゆるボタンがある。人生なんてボタンを掛け違えた西南戦争みたいなもんだよ。」

 

おじさんはおにぎりを頬張り、私学校を設立したせごどんのくだりを話す。ひと段落ついたところで、僕は一升瓶を取り出しおじさんに渡した。

 

シロツン

 

「香りから・・・シャープで力強い細い香り、徐々に徐々に膨らみをもって広がる様は、参議になり徐々に徐々に太りゆくせごどんか?酸味ともいいえる、独特な芳香が、ツンとした飼い犬のようでもある。口に含むと・・・甕貯蔵による丸みのある口当たりから始まるも、じんわりと口中いっぱいに広がる味わい、芋に止まらず果実のような甘みにも思える。伸びたその先に、キリリとした苦味、からさ、やはりツンと駆け抜ける。」

 

おじさんは酒を嗜む僕から一升瓶を取り上げる。

 

「一つ言い忘れていたことある。」

 

僕は焼酎の残り香をしっかりと味わいその一つを聞き留めた。

 

「西南戦争が起きれば起きなければ?どうも人は白黒付けたがる。わしだって、この酒が、白麹だ黒麹だと白黒つけようとしていた。で、今、両者が揃った。でも酒と違い、人生ってのは、両者を揃えて比較のしようがない。だから白黒つけられない。でもね、仮に両者の人生を生きたとして、白黒つけられるか?この酒のように、両者が揃っても、結局答えなんて出ないんだよ。ツンとシロツン、どちらも美味いよ!」

 

おじさんはシロツンを口に含み、また僕に一升瓶を差し出す。

 

「お前さん。真心と大きな愛を持ち、地位、金、名誉には目もくれず一生を貫く!それでいい!」

 

一升瓶はそこをつきそうだった。命日を祝いに、銅像の前には人だかりができてきた。その下で真っ赤に酔っ払う男二人。せごどんはそんな罰当たりなぼくらさえ、白黒つけず受け入れてくれたに違いない。

 

ツンかシロツンか。

 

 

 

 

 

スペースマジック株式会社
代表取締役(兼 とりぞの店主)
奥園侑亮(ZONO)

 

家を飛び出た19歳夏、身銭が底をつき始まったホームレス生活!その末、新宿西口で屋台を営むに至る。一期一会に杯交わす日々、商売の基礎を学ぶ。後に更生、実家山口県に戻り→自宅浪人→高知大入学→某IT会社入社→サラリーマンとなり東京に舞い戻る。しかし求める世界は違った。2011年、飲食業界へ転移、その一年後、某鳥料理屋の店長に抜擢される!更には焼酎きき酒師の資格を取得『焼酎教室』を設立し200名の生徒を築く!そして…2014年4月起業、スペースマジック株式会社設立、六本木に87席の居酒屋『九州鳥酒とりぞの』をオープン!そして2017年6月には念願の2店舗目『炎上鳥菜とりぞの』を出店!が、2018年7月、全権を委ねた店長に裏切られ閉店、12月には火災事故にて本館も失う・・・2019年、全てを喪失したZONOは、起死回生に向けて立ち上がる!そして今・・・『焼酎ユーチューバーZONO』として前代未聞な挑戦が始まる!

 

 

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