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鄙に輝く

2020.09.11


お父さん、お母さん・・・ごめんなさい。私・・・死のうと思います。

 

自身の命を断つことを愚かだと思ってました。中学生の時、友達の友達が自殺しました。その時に、馬鹿だなと思いました。自殺の理由は、失恋でした。当時は、恋が叶わないくらいで死ぬのかと思いました。でも今、私も同じ理由で死のうと思っています。今なら、自殺したあの子と意気投合できるのではないかと思うんです。意気投合するくらいならば、どこか二人で飲みにいくべきですかね笑。ふざけている場合じゃありません。私は死のうと思います。

 

私は、ロープを買ってきました。「死に方」とグーグルで検索してみると、驚くくらいの記事の数に驚きました。いろいろな死に方がありました。薬品を使う死に方、ガスボンベを使う死に方、コンセントを使う死に方。吐き気がしてきました。妊娠したことないですが、つわりってこんな感じかなと思いました。もし仮に、これがあの人との子ならば、死なないかなとも思いました。ロープを部屋の外に位置するドアノブにくくりつけました。ドアの上部を越して、ロープを部屋の中に持ってきました。椅子ももってきました。手にしたロープの輪っかがうまく頭を潜りません。輪は輪郭を失い、激しく震えていました。私は椅子に座り込み、ただただ頬を濡らしました。「怖い!」どうせできっこないのです。

 

私は部屋を飛び出ました。何も持たず、携帯電話さえ持たず、パジャマに近しいラフな状態です。もちろん化粧なんかしていません。夕焼けこやけの赤トンボが、私を避けて飛んで行きます。トンボにさえ嫌われました。行き交う人は民家の方へ、私はその逆へ突き進みました。国道から山道へ、山道をも外れ、道もない道を、足が動かなくなる限り進みました。どれくらい歩いたのでしょうか?外灯一つないこの場所で、私は力尽きました。なんとも鄙びた愚かな女だなと思いました。憎らしいくらいに明るい星が、私を照らします。耳を澄ますと、今まで無音と思っていた空間に、川のせせらぎ、木々のささやき、虫の声・・・自然の交響曲が鳴り響きます。私は、天に登るかのように、眠りつきました。

 

頬に痛みを感じました。木々の隙間から激しく照りつける太陽、残暑の日差しも私に容赦なしのようです。私は起き上がりました。泥だらけです。行くあてもなく、また前に進みました。すると不幸なのか幸いなのか、山道に出ていました。この道を行けば生きることができると喜んでしまった己を恥じました。すると、向こうから誰かが向かってきました。焦りました。初めて、自分の全身を見渡しました。私は急に恥ずかしくなりました。向こうから向かってくる人は私と同じ年ぐらいの女性でした。今じゃ私は山姥ですので、比較するのも恐縮です。案の定、向かってきた女性は私の前で止まり、話しかけてきました。でも、想定外のことを言われたので、驚きました。

 

「少し寄っていかない?」

 

私は彼女に付いて行きました。彼女の後に、無言で、千鳥足で、進みました。彼女は私を気遣ってか、歩幅を狭め、時に野に咲く花を手に、目尻を細めて見つめていました。黒塗りの木々で組まれた小屋に着きました。彼女と向かい合って、座りました。差し出されたお茶を私はすぐに飲み干しました。彼女は何も聞いてきませんでした。何も言わないわけにはいかないと、私から口を開きました。

 

「鄙びた人生でした・・・」

 

彼女の優しく柔和な瞳が急に力を得ました。私は心臓の鼓動を感じました。彼女はさっと立ち上がると、姿を消し、一本の焼酎を手に戻ってきました。

 

「鄙の蔵人」

 

「創業明治43年。1910年。ずっとここにいるの。この北薩最高峰の山、紫尾山の麓でずっと地味にね。鄙びた蔵だと言われたこともあるの。ちょっと落ち込むこともあったわ。でも、「だから何が悪い!」ってずっと焼酎を作り続けているの。私は幼い時からこの蔵を継ぐと決めてたは。親に言われていたからってのもあるけど、代々受け継がれてきた伝統、それを守る父の姿をかっこいいと思ったのも本音よ。鄙びた蔵だと言われても、胸を張って守るべき伝統がある。だからね・・・自分から言っちゃったの。「鄙びた蔵人」ってね。あれ?お酒は飲めます?」

 

私はグラスに注がれた焼酎を見つめました。今の私にとっては聖水のようにしか思えません。立ち上がる香りは、芋々しくも、どこか優雅で上品、まるで私の向いに座る女性のように気品ささえ醸します。口に含むと・・・じんわりと芋の甘みが、舌を伝って喉へ流れます。丸く滑らかではありますが、しっかりとした骨格もみせるんです。甘みの引きに伴い、ぐぐっと存在感を示して、辛口な味わいを伝えてくれます。優しくも驕らない、こんな鄙びた私を諭してくれる、彼女のような凛々しい味わいだった。果たしてこれは鄙びた蔵が手掛けた鄙びた焼酎なのでしょうか?

 

いや違います。これは鄙びたと言われても、「鄙」に胸を張り、愚直に貫く、誉れの焼酎です。私は鄙びた人生をまた生きることにしました。鄙びたままでもいいと思いました。

 

「これはフィクションですが・・・軸屋麻衣子氏は必ず・・・こう言ったと思います。」

 

 

酒名:鄙の蔵人
蔵元:軸屋酒造@鹿児島県薩摩郡さつま町
芋:黄金千貫
麹:米麹(白)
蒸留;常圧蒸留
特徴:甕仕込み

 

 

それでは、皆様の愛のご来店、心よりお待ちしております♪

 

 

 

 

 

スペースマジック株式会社
代表取締役(兼 とりぞの店主)
奥園侑亮(ZONO)

 

家を飛び出た19歳夏、身銭が底をつき始まったホームレス生活!その末、新宿西口で屋台を営むに至る。一期一会に杯交わす日々、商売の基礎を学ぶ。後に更生、実家山口県に戻り→自宅浪人→高知大入学→某IT会社入社→サラリーマンとなり東京に舞い戻る。しかし求める世界は違った。2011年、飲食業界へ転移、その一年後、某鳥料理屋の店長に抜擢される!更には焼酎きき酒師の資格を取得『焼酎教室』を設立し200名の生徒を築く!そして…2014年4月起業、スペースマジック株式会社設立、六本木に81席の居酒屋『九州鳥酒とりぞの』をオープン!そして2017年6月には念願の2店舗目『炎上鳥菜とりぞの』を出店!が、2018年7月、全権を委ねた店長に裏切られ閉店、12月には火災事故にて本館も失う・・・2019年、全てを喪失したZONOは、起死回生に向けて立ち上がる!そして今、『焼酎ユーチューバーZONO』として前代未聞な挑戦が始まる!

 

 

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