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(月) 満席率10%

2020.09.07


「ユーチューバー店主のZONOです!あれあれあれ?徐々に、徐々にですけど・・・いやいや、1日数組程度ですけど、予約も入ってきました。もちろん、87席、まだまだ先行きは長いですが、ZONOは負けませんので、皆様が戻って来て下さるまで、全力で命がけで待ってます!どーん」

 

《本日の動画》

 

微動だにしない。

 

握った手は麻痺したかのように、感覚がふわふわしている。かれこれ1時間は経っただろうか。周囲に時計はない上、携帯さえ取り出していないので、正確な時間は分からない。「動いてはならぬ」という暗黙のルールを破く訳にはいかない。目だけを横に動かして、彼女を見た。彼女だって痺れを切らしているに違いない。だが、それは安易だった。彼女は、マバタキさえ許さないとばかりに目前に視線を送る。その先には、直立不動、1羽のペンギンがいた。

 

ちょうど1時間前。彼女と僕はここに来た。「きゃーペンギン」と、よちよち歩きを真似て興奮する彼女。ペンギンのブースは人気なはずが、平日の開園後を狙ったこともあり、まだ僕らしかいなかった。

 

このブースは南極を表現した造りになっており、氷の陸地と、海が存在している。ペンギンは陸地を徘徊し、時に、水中へ見事なダイブをする。ダイブをしたペンギンは、水中にシャープな曲線を描き、ぐるりと水槽内を巡ると、また陸地に舞い戻ってくる。鳥類なだけに泳ぐというより飛ぶ、そんな表現がまさに適しているなと僕は思った。彼女は、水槽の端から端を行ったり来たり、時にペンギンに真似を、体を左右に傾けながら歩き、ダイブするかのように身を低くする。と、彼女が途端に止まった。駆け寄る僕に、彼女は指を差して言った。「あのペンギン、さっきから一向に動かないね」指差す先には、1羽のペンギンが、陸地の端に陣取り、上を仰ぎ見るように立ちすくんでいる。微動だにしないの、微動がない状態を初めてみたかもしれない。このペンギンの周辺は、一時停止されたかのように止まっていた。「じゃあ、飛び込むまで待ってみよう!」か、それからこのゲームは始まった。もう、終えてもいいのかもしれないが、僕らは手を繋いだまま、ガラス越しのペンギンと同じく、直立不動で、突っ立っていた。開演して時間が経つと、ペンギンコーナーに人の群れはできるも、不自然な僕らの存在に、気色悪がってか、今日のペンギンゾーンは空いている。

 

「飛び込みそうにないよ」と、一人のおじさんが独り言ともいえる、小言で僕の横にやってきた。おじさんは続ける。

 

「これはコウテイペンギンだね。別名エンプラーペンギン。エンペラー、皇帝ってことだよ。立派な体格をしているだろう?ペンギン類の中で、最も大きく、体重が重い種だよ。まさに皇帝。もみあげ部分がオレンジ色、首回りが黄色、嘴にもオレンジのラインが入っている。こうやって見分けるんだ。」

 

どうやらペンギンマニアのようだ。すると、おじさんの側に飼育員がやってきた。

 

「牧野さん、本日もですか。ありがとう御座います。」

 

どうやら水族館の常連客のようらしい。その牧野という男は僕の横に着く。そして飼育員がまたその牧野の横についた。飼育員は牧野に話している。

 

「とある水族館で、飛ばないペンギンがいると話題になってSNSを沸かしたと。飛ばない理由。そのペンギンの頭上に扇風機があって、涼んでいるだけだったんですよね?でもこのペンギンの場合は、そんな理由でもなさそうなんです。扇風機が回っているのあっち。なんで飛ばないのかわからない。なんか楽しい理由があれば、一躍話題になるんですけど・・・」

 

「楽しい理由か〜いや理由がないことがこの場合の理由かもしれない。ファーストペンギンの話に胸を打たれたんですよ。ご存知でしょうけど、最初の1羽が飛び込むと、次々に続いてペンギンが飛び込む。でもあれ、生贄なんでしょ?最初の一羽が飛び込んで、安全かどうか確認する。飛び込んだペンギンが血塗れになって浮かび上がってきたら、ペンギンの集団はもう誰もそこに飛び込まない。逆に、獲物を咥えて戻ってくると、皆が続いて一斉に飛び込む。でもここではもう、誰かが飛び込んで安全と分かっている。が、彼は飛ばない。なんでか・・・飛ぶ理由がないのかと。」

 

飼育員は疑問符を浮かべた様相で牧野に問うた。

 

「飛ぶ理由とは?」

 

「飛んでも水中には餌はない。飛んでも壁はあるし底もある、またそこに戻ってくるだけ。だからもう、飛んでも意味がないんじゃないか?」

牧野は僕の同意を得たいのか、僕の方に視線を送り、また話し始めた。

 

「もし仮に、今飛んだあのペンギンが、口に魚を加えて戻ってきたら?もし仮に、今飛んだあのペンギンが、どこか遠くにいったのであれば、彼は後を追って飛ぶかもしれない。」

 

飼育員は申し訳なさそうに牧野に言う。

 

「餌はしっかり与えてます。が、そうですよね。なんだか可愛そうだなと思うこともありますよ。でも、だからこそ、しっかり責任持ってやってます!牧野さん、本当にペンギンがお好きなんですね。」

 

牧野と飼育員の話は続いた。僕は目はペンギンに留めながらも、耳は二人の会話に向け続ける。

 

「自分はファーストペンギンだったんですよ!新規事業にチャレンジしましてね・・・でも結果は血塗れのペンギン。後には誰も続いて来なかった。だから飛ばないペンギンも素敵だなと思うんだ。」

 

「牧野さん。大変だったんですね。だからよくここにいらしてペンギンを見ているんですか?」

 

「はい、飛ばなくてもいいけど、実際は飛んでほしいのかな・・・飛んだからこそわかることもある。飛んだ後悔もまた、今の人生に意味を与える」

 

彼女の握力を感じた。ペンギンの首が下を向いているではないか。牧野と飼育員も声にならないうなり声をあげる。頭上を捉えていたそのクチバシが、水面を指しているのだ。また一層、彼女の握力を感じた。ペンギンの体が前にぐぐっと傾きかけた気がした。

 

「牧野さん!」飼育員が一歩前に乗り出した。

 

一瞬のことだった。水しぶきをこれほどまでに美しいとを思ったことがあっただろうか?照明に照らされた水の粒は、キラキラと煌めき、あたりに散って行く。水中に描かれた曲線は、オーロラのように光を靡かせる。その先に、クチバシから一直線に体を伸ばし進む、皇帝に相応しい風格のペンギン。先程の静寂が嘘かのように、迫力ある泳ぎを魅せる。

 

彼女の手はすでに僕の手から離れ、激しく手と手を叩いている。僕も、牧野も、飼育員も、続けて、手を叩く。水中から顔を出したペンギンは、また陸地に戻り、何もなかったかのように同じ場所についた。「さぁ、僕らも飛び込むか!」と言わんばかりに、僕らはその場を離れた。

 

 

 

 

 

スペースマジック株式会社
代表取締役(兼 とりぞの店主)
奥園侑亮(ZONO)

 

家を飛び出た19歳夏、身銭が底をつき始まったホームレス生活!その末、新宿西口で屋台を営むに至る。一期一会に杯交わす日々、商売の基礎を学ぶ。後に更生、実家山口県に戻り→自宅浪人→高知大入学→某IT会社入社→サラリーマンとなり東京に舞い戻る。しかし求める世界は違った。2011年、飲食業界へ転移、その一年後、某鳥料理屋の店長に抜擢される!更には焼酎きき酒師の資格を取得『焼酎教室』を設立し200名の生徒を築く!そして…2014年4月起業、スペースマジック株式会社設立、六本木に87席の居酒屋『九州鳥酒とりぞの』をオープン!そして2017年6月には念願の2店舗目『炎上鳥菜とりぞの』を出店!が、2018年7月、全権を委ねた店長に裏切られ閉店、12月には火災事故にて本館も失う・・・2019年、全てを喪失したZONOは、起死回生に向けて立ち上がる!そして今・・・『焼酎ユーチューバーZONO』として前代未聞な挑戦が始まる!

 

 

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